2013年2月24日日曜日

クリスティーナ.シェウェルのヴォイスワーク 

今週の初めの2日間は、クリスティーナ シェウェルの講座だった。
「Voice Work」 というえらく分厚い本の著者だ。アレキサンダーの
フロアワークをする時に使うとちょうどよい、とサラが言うと、彼女も同感していた。

彼女は、このコースの卒業者でもあるが、元々スピーチセラピストでも
あったらしい。個人セッションだけでなく、
舞台関係でも役者さんにヴォイスのトレーニングをしてきた。

講座全体がとてもわかりやすかった。
診断の方法から、具体的な話の聞き方、エクササイズ…
最後に、自分の仮説について、ヴォイスや詩を取り扱ってワークすることが、
いかにに神経科学や認知言語学と一致するか、について話してくれた。
これは新しかった。

ヴォイス実践者の中では、大御所であるメリベス.バンチが講座をしてくれた時は、
現在の彼女はなんだか東洋的な身体アプローチの凝っていて、科学的探求からは
離れていったようだった。が、クリスティーナは、実際に科学で説明できない
というか、したくない例えば、詩と人体とのつながりを、あくまで理論を元に
展開しようと試みているところに、とても共感した。

声の診断書の作成、数の使い方、詩のメタファーとボイスでのアプローチ
など、個人的には分析したくないのよ、個々本当に違うからといいながら、
しかし、自分のワークを人に見える形で分かってもらうには、
こんな方法が効果的なの、と紹介してくれた。

ほんとうに、この分野はマイナーだと、つくづく思う。
そして、先人たちがこの分野をいかに仕事ととして展開してきたか
に触れると、とても感動する。

2013年2月16日土曜日

様々な論議を醸し出す…

どうも学校側の教授陣としても、
今年のパフォーミングリサーチは
うまく進めているとは言いがたいらしい。

各コースによってこのリサーチの取り扱いがばらばらなのに、
コースを越えてチームを作っている。
これがコースのメインとなるところもある。

スーパーバイザーによっても違い、どっさり宿題が出たり、
一度も会ってないというグループもあったり…。

各コースの代表と学校担当者と臨時のミーティングが開かれることになった。

親切に学校側と代表者会議を持ってくれると言われても、意見を集約するのに、
この忙しい最中、さらなる時間をみんなで調整して捻り出すのは
並大抵の技ではない。じゃ、メールで、となるのだが、
みんなで集って30分で済むことが、メールだと数日かかる。
これではまとめ役が大変だ。もう、何もかもダブルブッキングなのだ。


これらの現状について、何か勘が働いたのか、
今週コースリーダーのジェーンが
急に時間を調整してクラスミーティングを持った。

そして、コースとして、このプロジェクトの取り扱いを説明した。
これに囚われて本業のヴォイスに時間が割けない程の
ボリュームにしないようにとのこと。
が、最終のプレゼンやレポートは評価基準は超えなければならない。
合格しなければならない。
おまけにセントラルの基準だけでなく、ロンドン大学の合格基準がさらに
あって、ダブルなのだ。
それでいて、学校として本当にリサーチしてほしいのは、
各人のライフワークの一環となりうるような専門に関わる事という
理想も混ざっている。
まったく、複雑だ。

今年学校で、5年目を迎えるこのリサーチプロジェクト、
かなりの調整が必要だと思われる。

ちなみに、私たち「詩」のグループは、サムが学校に帰ってきて
また、4人で進めることになった。明日、改めて4人で会う。
さて、どうなることやら…。



2013年2月9日土曜日

400年祭です

昨年のイギリスでのオリンピックに、日本はようやく100年かかって
参加できたという話を聞いた。
また今年は、初めての留学生-伊藤博文や井上肇らがイギリスにやってきた時から
数えて150年。どうも、区切りがよいらしい…。

そして、1月末から、
イギリスと日本の通商が始まって400年になることを記念した演劇が上演されている。

タイトルは、「ANJIN」。日本名三浦按人ことウィリアム・アダムスと
徳川家康との交流を描いた日英合作の演劇だ。
千秋楽の前日の昨日、ようやく観に行った。

家康役を市村正親さんが主演していた。
演出は、劇団のロイヤル・シェークスピア・カンパニーの芸術監督が担当、とのこと。
3時間という長い劇だった。



大道具がすばらしかった。屏風絵がとても繊細で美しかった。

一緒に行った人のコメントで、
視点が公平な立場で一環していたというのには、まったく同感だった。
歴史好きの人には、とても興味深い劇だと思う。

が、そういう雰囲気の劇だから、観客はとても真剣に見ている。
また、日本の観客とこちらの観客は質が違うと思う。
なのに、役者が、
そういう時に、日本特有のお茶ら気たしゃべり方やジョークを入れる。
TVのように。
そういうの慣れている観客は、咄嗟に笑うが、全体はシーン。
日本でまず上演されて、あまり手直しをせずに見せているそうだ。

役者の体や声の出し方など、日英人が同時に舞台に立っていたので、
両方のあり様を観察でき、とても興味深かった。
そして、残念に思うことがたくさんあった。




2013年2月2日土曜日

パフォーミングリサーチ

こういう名前のグループプロジェクトが少しずつ進んでいる。
実践を理論で裏づけて展開する。理論も現象学からとってくるか、
心理分析からか、とかいろいあって、まずはそれを学んでからだ。
(ややこしやー)


春休みに詰めて、3学期のはじめに発表をする。
「詩」をテーマに取り組もうとしている事はすでに話したと思うが、
今は、サムが抜けて、オアナが加わり、3人だ。
なんでもサムは、先々週クラスでえらく揉めて、それ以来
コースを変わるとか、やめるとか言って、学校に来てないらしい。

ルーマニア人のオアナは前向きで、そして、とてもアクティブ。
ある時、こんな話をしてくれた。
「覚えてないかもしれないけど、前に、詩の話をしてくれたのよ」と。
12月最後の週に、このプロジェクトのシェアリングがあったときのこと。
一人1分で、互いにしたいことを話した。オアナは、その時、20人くらいの
人と会ったらしい。そして、覚えていたのは、私だけだったという。

その時、私はまずオアナのコスチュームに関係することがしたいという話を聞いて、
興味がないかもしれないけど、私は、詩のことがしたいと言ったらしい。

そうだったんだ・・・・。