2011年11月6日日曜日

私の好きな詩人1-ベン・オクリ

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「詩」について    
詩は時制で言うなら“未来”に結びついていると言われる。
震災後、人々が立ち上がるために沢山の歌詞が作られた。沢山の人が詩を書き、フレーズやスローガンを掲げた。人が立ち上がって進むために、詩が出来ることは心に夢や理想の種を植えることではないかと思う、詩はそのために存在するのではないか、と…。抽象的で曖昧模糊とした詩の世界が心に宿してくれる光や勇気は確かにあると思う。
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ということで、これまでたくさんの詩人の詩に触れてきて、私の好きだった詩人を幾人か挙げてみたいと思います。

最初に紹介するのは、ナイジェリアの詩人・ベン・オクリ。1959年生まれで小さい頃イギリスに住んでいましたが、一旦ナイジェリアに帰り、私がイギリスにいた90年代はロンドンに住んでいるらしかったです。詩人というよりは小説家として有名で、日本では、「満たされぬ道」と「見えざる神々の道」という小説が翻訳されています。「満たされぬ道」では1991年にブッカー賞を受賞し、彼自身では2001年に大英帝国勲章を受勲しています。彼の詩の中で私がもっとも好きな詩は、〝An African Elegy”という92年に発行された詩集の題名にもなったものです。次回、オリジナルと翻訳してこの詩を紹介しますね。

ところで、NYで通っていた詩の講義で、先生がこの人いいよ~と紹介してくれた作家もナイジェリア人でした。チアヌ・アチェベという英語圏では、“アフリカ文学の父”と言われている人で、「崩れゆく絆」という著書がいろいろな国で翻訳されています。この本読みましたが、彼の英語がなかなか入ってこなくて読むのに苦労しました。(トホホ…)